合気道 開祖 植芝 盛平


 植芝盛平翁が創始 世界中で親しまれる合気道 

 

 合気道の開祖は現在の和歌山県田辺市に生まれた植芝盛平翁(1883~1969 )です。幾多の武術を修練し、厳しい精神修行の末に合気道を創始しました。

 開祖の他を圧倒する強さと人柄、武技としての絶大な効力を有しながらも、他と争わない精神性が多くの人を惹きつけ、次第に入門者が増えました。当初は、しかるべき紹介者があり、身元の確かな者でないと入門できなかったということです。

  昭和17年、合気道と名称。戦後、一般の人にも門を開き、開祖から二代・植芝吉祥丸道主、三代・植芝守央道主へと道統は受け継がれ、現在、世界130カ国で愛好者は160万人に達し、子どもから高齢者まで、男女のへだたりなく稽古に励んでいます。

 また、平成24年度から中学校の保健体育科で武道が必修となり、合気道も採用されています。


   宇宙自然に調和 万有愛護の精神

 

  合気道の基本である入り身、転換、転身の体捌きは、相手とのぶつかり合いを避け、流れるような美しい動きを体現します。相手に合わせることは、お互いを尊重することにもつながり、誠実な人柄を育みます。

 

  合気道には競技(試合)がありません

 理に適い、対すれば和合す すなわち無敵

 

 合気道では勝ち負けを競うことをしません。稽古では、取り(技を掛ける側)と受け(技を掛けられる側)を交替しながら技を繰り返し、心身の練成を図ります。 大会では、演武という形式で日頃の稽古で身に付けた技を披露しています。

 試合とは自分の力量を知るための試し合い。普段の稽古は形の反復ですが、心の持ちよう、取り組みようにより、地稽古的にも、乱取り稽古的にもなります。

 無理な力を労せず綺麗に技を掛けることができた時は、上達したことを実感し嬉しいものです。力ずくでない導かれるような技は、何をどうされたのか分からない不思議な印象です。 技を掛けられて、思わず微笑んでしまったり、その見事さに感心・・・こんな調子ですと敵意なんか湧きません。


合気道倫理憲章 

 

1、合気道はお互いに切磋琢磨し合って稽古を積み重心身錬成を図ることを目的とする。

 

2、日々の稽古を通じて相手を理解し尊重する心を養う。以って至誠の人、調和の取れた真心の人となる。

 

3、合気道の精神

 “合気とは「 愛 」であり、あらゆるものを愛護することを自己の使命として完遂するのが真の武の道である。合気とは自己に打克ち、敵の戦う心をなくす、いや、敵そのものをなくしてしまう絶対的な自己完成への道なのである。”

                            (植芝盛平翁「合気道」より抜粋)


   行動規範

 

・生涯にわたって合気道の探求に努める

・会起動の精神を社会において実践する

・道統に順じ、(公財)合気会に規約に従う

・個人の尊厳を大切にする

・世界平和と人類の幸福を念願する

・法令秩序を順守する

・社会に奉仕する

・差別とハラスメントを排し、誠実に行動する

・反社会的勢力を排除する

・個人情報を保護する

 

 


   合気道の歴史

1883(明治16)  合気道開祖、植芝盛平が

           植芝与六の長男として12月

           14日、現在の和歌山県田辺

           市上の山に生まれる。

1897(明治30) 各流の武術遍歴がはじまる。

1912(明治45)  政府募集の北海道開拓民に

           応募し、その団長として北海

           道紋別郡白滝原野に移住する

1919(大正8)  京都綾部市で大本教の出口王

          仁三郎氏に出会い、精神的修業

          に打ち込む。

1920(大正9)  京都府綾部本宮山麓に修業道

          場、植芝塾を開設する。

1921(大正10) 植芝吉祥丸(二代道主)が綾

          部に生まれる。(6月27日)

1922(大正11) 一層の精神的修業と相俟っ

          て、その心境の向上に伴い武道の

          真「合気」と 呼称し主唱する。

1927(昭和2)  一家をあげて上京し、芝白金

          猿町で武道指導に当る。活動の

          本舞台が東京 になる。

1931(昭和6)  現在の新宿区若松町に専門道

          場を建設し「皇武館」と称す。

1940(昭和15) 財団法人皇武会発足。茨城県

          岩間町に野外道場の設置を図る

1942(昭和17) 自らの武道を「合気道」と

          呼称る。

1943(昭和18) 茨城県岩間町に合気神社を

          建設る。

1945(昭和20) 茨城県岩間町に合気神社付属

          としての茨城道場が完成する。

1947(昭和22) 財団法人皇武会の改組、再編

          成し「財団法人合気会」とする

1948(昭和23) 文部省より財団法人合気会に

          寄付行為改正の認可がおりる。

1951(昭和26) 植芝守央(現道主)が東京に

          生まれる(4月2日)

1960(昭和35) 財団法人合気会主催の第一回

          合気道演武大会が開催。

      (5月14日、山野ホール)。

1961(昭和36) 全国学生合気道連盟発足

                 (10月)

1969(昭和44) 開祖植芝盛平、4月26日逝

          去(86 歳)。開祖逝去により植

          芝吉祥丸が合気道道主を継承、

          道主を継ぐ。

1976(昭和51) 全日本合気道連盟発足

                 (5月)

                    国際合気道連盟が発足し、第一回総会                     が開催(10月)。

1979(昭和54) 第1回日本少年合気道錬成大

          会を日本武道館で開催

              (8月16日)

1799(平成11) 植芝 吉祥丸道主、1月4日

           逝去(77歳)吉祥丸逝去に

          より、植芝 守央が道主を継承。

2002(平成14) 全日本高等学校合気道連盟

           発足  (5月)

                                       第1回高等学校合気道演武大会

          が東京武道館で開催(8月)。


            合気道に思ふ

武道全般は直接、人と接することによって、感応力をアップする効果がある。

稽古は、ガチガチに力をいれて抵抗する力比べをするのではなく、自分勝手に動くのではなく、相手の動きに合わせて、もっと素直に相手に合わせる。

受身の基礎をしっかりやるのは型を身に付けるためです。

型が身に付いたらそれを破る時も来るでしょう、それが“型破り”です。

型も出来てないのにデタラメをやるのが“型なし”と言う。

 

合気道は正しい指導を受ければ心と体が鍛えられ、礼儀と作法も身に付けることが出来ます。人を守るためにも、まず自分が強くなくてはならない。

又、受け身とは「愛」であると言われた先達が居ました。「受」文字の中に「心」

 

があるから、稽古の時受けの方は愛を以って技の誘導をして、教えるべきであると言われました。

合気道と人格形成

 合気道は開祖植芝盛平翁が「真の武道はいたずらに力に頼って他人と強弱を争うものではなく、自己の人格の完成を願っての求道である」と説き、その体現を目指す道として完成させたものです。

磯山師範の云われる腕組みについて

腕組みは、拒絶や防御の気持ちの表れであり、人から教えをこう時には取ってはならない態度である。

有段者が履く袴の襞の意味

 有段者が履く袴の襞にはそれなりの意味が有るのを、皆さんご存知ですか。

 袴の襞は、前に5つ後ろに2つあり、それぞれに意味があります。

右前襞には仁(思いやり・人を許す心)・儀(正しい筋道を通す・義務)、左前襞には礼(礼儀作法・社会生活の秩序 習慣)・智(正しい判断力)・信(嘘を言わない・誠実・信頼)となります。後ろ襞には忠(陰ひなたの無い心・真心)・孝(親に真心を持つて仕える)の意味が隠されています。

有段者になられ袴を履く時は、意義を感じとり確りと稽古に励んで下さい。


武道の道

修業の理想的なプロセスを3段階で示したもの。 

「守」の段階にあるときは、自分を押し殺して型を学ぶことに専念しましょう。
「破」の段階にあるときは、思い切ってこれまでの自分の枠を飛び出してみましょう。
「離」の段階にあるときは、心を鬼にして師から離れましょう。

 

「型があるから型破り、型がなければ形無し」

「型者が芝居ができてないをすると型なしになる。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。 結論をいえば型をつくるには稽古しかないんだ」

「守」は、師や流派の教え、型などを忠実に守り、確実に身につける段階。ここから修業がはじます。  次にそれを「破」る時期、否定しなければならないときがやってきます。良いものを取り入れ、自分に合った型をつくることにより既存の型を「破る」段階です。 そして最後は師や流派から「離」れて自分なりの独自の表現をする時期がやってきます。新しいものを生み出し確立させていく段階です。